放射線の人体に及ぼす影響は、確定的影響と確率的影響 にわけられる。 確定的影響は、脱毛や下痢のように、一定の線量(しきい値)を超える被曝を受けた際に、生体の細胞が障害を受けるために発症する病態をいう。発生する症状に応じて、しきい値が異なる。 |
これに対して、確率的影響は、癌や白血病のように、幹細胞や生殖細胞のDNAに変異が蓄積するため起こるもので、しきい値が存在せず、被曝した線量にかかわらず発生する可能性がある。高線量被曝においては線量に応じて発生率が増加することが知られているが、100mSv以下の低線量で本当に癌や白血病が誘発されるかどうかは明らかにされていない。 |
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脱毛の頻度は爆心地から離れるに従って低下し、3.5Km以遠ではほどんど認められない。 |
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今回「間の瀬地区」で認められた脱毛の頻度は、ほぼ爆心地に近いものであり、内部被曝によるものとは考え難く、毛髪に対する何らかの局所被曝が原因ではないかと推測される。 |