【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(61)

建造物が伝える壱岐の歴史と息づかい

壱岐風土記の丘

壱岐市教育委員会文化財課 河合雄吉

 壱岐島北西部に位置するこの施設は、「古民家園」と「古墳館」に大きく分かれています。
 まず「古民家園」は、18世紀に実際にあった百姓武家屋敷(富岩家住宅)を現地に移築したもので、現在では長崎県景観資産登録物件の一つとなっています。壱岐では「オモヤ」と言われており、家族が生活する場所でした。その他に家を子に譲った老夫婦の住む「インキョ」、倉庫や作業場として使用する「ホンマヤ」、牛舎である「ウシノマヤ」を再現しており、また園内には井戸や畑地などがあり、当時の生活風景を再現したものとなっています。またその他に生活道具や娯楽品などの展示も行っており、今では使われなくなった昭和期のカメラやレコード、計算機など、懐かしさを感じさせる資料の展示も行っています。
 「古墳館」は、平成21年2月に国史跡に指定された「壱岐古墳群」を紹介するためのもので、長崎県最大の前方後円墳である双六古墳の築造を再現した模型展示をはじめとする展示を行っています。また壱岐古墳群の一つであり、刳り抜き式家形石棺を持つ円墳「掛木古墳」があり、古墳内部まで見ることができます。
 また周辺には文化財の見どころが非常に多く、小規模な古墳が密集している「百合畑古墳園」や、二重の空掘を持つ中世の山城「生池城跡」、豪華な副葬品が国指定重要文化財に指定されている「双六古墳」や「笹塚古墳」など、壱岐の歴史を学ぶ上において欠かせない場所となっています。
 詳しくは、壱岐風土記の丘HP(http://www.ikikankou.com/wp/?p=732)をご覧ください。