【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(60)

江戸時代の古文書を多数収蔵

雲仙市歴史資料館 南串山展示館

南串山展示館管理人 茂 和夫

 南串山展示館は、平成22年7月に雲仙市南串山町門山地区に建設されました。この場所は、代々庄屋を務めた「旧馬場家」の屋敷跡で、門山公園に隣接する自然豊かな地域です。
 南串山村馬場庄屋は、万治元年(1658年)初代庄屋馬場庄左衛門就任以後、世襲制となり、幕末までの211年間、南串山村の庄屋職を11代に亘って務めました。
 館内には、旧馬場家から寄贈いただいた多くの古文書、書状、書籍、美術品、村絵図(江戸後期)、庄屋系図等を掲示しています。また、庄屋の事務用品(御用状箱・印判・筆記用具)や生活用具等があります。
 古文書(地方文書)類には、南串山村の詳細な記録や島原藩、そして長崎をはじめとして江戸幕府の主な出来事等が書かれています。また、年貢皆済目録、惣掛米銀割賦帳等があります。書状には、村役人同士の書状、乙名の書状等もあり、当時の村の行政の様子も伺えます。
 最後の庄屋馬場立造の長男として生まれた馬場是一郎(1870年~1930年)は、長崎医学校中退後、東京帝国大学法科大学に入学し、1909年(39歳)で卒業し、朝鮮総督府の官僚として勤務しています。その頃、執筆した朝鮮古跡調査報告書「梁山夫婦塚とその遺物」(昭和2年刊)や明治から大正期にかけて活躍した杉浦重剛宛の書簡59通が展示館に展示されています。その他、是一郎の娘(馬場園子)の尋常小学校夏季学習帳(大正10年間)や島原・天草一揆後の小豆島からの移住に関する資料も展示しています。
 詳しくは、雲仙市歴史資料館南串山展示館HP(https://www.city.unzen.nagasaki.jp/info/prev.asp?fol_id=10039)をご覧ください。