【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(56)

入口でステゴドン象がお出迎え

“彫刻家”小金丸幾久記念館

壱岐市教育委員会文化財課 河合雄吉

 「小金丸幾久」という人物をご存じでしょうか。大正4年に武生水村(現:壱岐市郷ノ浦町)で生を受けたこの彫刻家は、「明治天皇御聖像」(1967年)を始めとして、長崎県でも所縁のある「天正遣欧少年使節団」(1982年)、「松永安左ェ門像」(1997年)、少貳資時公像」(2001年)など数多くの作品を遺しています。
 小金丸の作品は日展や日彫展など多くの展覧会で高い評価を受け、作品を通じて人間愛を感じさせ、芸術的感性を刺激するものばかりです。また彼は「太平洋美術協会参与」「日本陶彫会会員」「日本美術家連盟会員」などに属しており、幅広く活動を行っていました。
 平成15年に、彼は87歳の生涯を閉じましたが、彼の遺した作品を後世に伝えていくために、生誕の地であるこの地に記念館が設立されました。
 当初この館は“壱岐郷土館”中の“郷土美術館”という名称でしたが、平成21年に彼の名を前面に出し、「“彫刻家”小金丸幾久記念館」として名称変更を行い、現在に至っています。
 一階は彫刻展示室になっており、小金丸の経歴や多くの彫刻作品、奥には彼が愛用した彫刻道具が展示されています。
 二階はアートギャラリーとして、毎月のワークショップや市内小・中学校の児童・生徒が作成した絵画や書道の展示を行っているほか、個展や発表会など、どなたでも利用できるスペースとなっています。
 詳しくは、小金丸幾久記念館HP(http://www.iki-bunkahall.com/p3.html)をご覧ください。