【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(54)

歴史を刻む石造の洋館

世知原炭鉱資料館(旧松浦炭抗事務所)

佐世保市教育委員会社会教育課 川内野 篤

 佐世保市世知原町に建つ世知原炭鉱資料館(旧合資会社松浦炭坑事務所)は大正元年に建設されたおしゃれな建造物で県北地区に残る唯一の石造りの洋館として長崎県の有形文化財に指定されています。
 佐世保市世知原町は、松浦市・伊万里市等に囲まれた山間の町で、かつて石炭の採掘で栄えていました。松浦炭坑は後に飯野炭鉱となり旧世知原町の中心的な炭鉱でしたが、昭和45年に閉山しました。炭鉱事務所建物は閉山後旧世知原町に寄贈され、町の炭鉱の歴史を物語る世知原町歴史民俗資料館に改修され、佐世保市に合併後は世知原炭鉱資料館として一般公開しています。
 当館内には石炭採掘に必要な器材・道具や当時坑内で働いていた坑夫たちの使用していた測定器・日用品などを展示しています。
 中央パネルにはひときわ大きな写真パネルを飾り、当時の抗夫たちの厳しい労働環境の様子が伝ってきます。また、昭和46年廃線となった国鉄世知原線当時のダイヤ表なども展示しており、ありし日の世知原をしのばせてくれます。
 詳しくは、世知原炭鉱資料館HP(https://www.sasebo99.com/spot/661/)をご覧ください。