【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(53)

大村市の歴史を伝える史料館

大村市立史料館

大村市立史料館学芸員 山下和秀

 県央に位置する大村市は、旧石器時代から人々の生活が営まれてきました。戦国時代には日本初のキリシタン大名・大村純忠が登場し、大村一帯にキリシタンの時代を生み出しました。江戸時代以降は大村湾をとり囲む大村藩領2万7千石余の中心地として、さらに明治以降は陸海軍の施設が所在する「軍都」として、特色ある歴史を歩んできました。
 大村市立史料館は、旧大村藩主の大村家の古文書群を母体として、以上のような大村市の歴史に関わる歴史資料を収集・保管・展示する施設として、昭和48(1973)年10月に開館しました。2つの展示室では、常設展示として「キリシタン・南蛮文化」と「大村藩」を、また、春・夏・秋には大村市の歴史に関わる、特定のテーマによる企画展を開催し、大村市の歴史情報の発信に取り組んでいます。
 収蔵品では、藩主大村家や家臣の家に伝来した古文書だけでなく、禁教期に建てられた墓から出土したメダリオン「無原罪の聖母」(県指定有形文化財)や、国内唯一とされる半楕円形の切石板碑である大村市原口郷出土のキリシタン墓碑(県指定有形文化財)など、貴重な歴史資料も所蔵しています。
 ところで、現在大村市は、県立・市立一体型図書館の開館に向けて準備を進めています。当館もこの一体型図書館の中に合築され、新たな展示施設として生まれ変わることになります。新施設では、これまでの伝統を受け継ぎつつ、さらなる歴史情報の発信を行なっていく予定です。
 詳しくは、大村市立史料館HP(http://www.omura-dejihaku.jp/odal/info.html)をご覧ください。