【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(51)

由緒ある庭園が美しい中の茶屋

長崎市中の茶屋(清水崑展示館)

長崎市文化観光部 文化財課管理係 井上 環

 思案橋から丸山方面へ向かい、史跡料亭「花月」脇をそぞろ歩き、すると程なく中の茶屋へたどり着きます。この中の茶屋は、江戸時代に遊女屋が茶屋を設けていたところで、茶屋や休憩所として親しまれていました。民謡「長崎ぶらぶら節」で「遊びに行くなら花月か中の茶屋」と唄われるほどの人気ぶりで、きっとあの幕末の志士も訪れていたのではないかとも言われています。
 今でもその趣は変わらなく、庭園には凛とした空気が流れ、縁側に座ると実に気持ちが安らぎます。最近は庭園や茶室で結婚式の前撮りをされる方も増えており、茶会等でご利用される方もいらっしゃいます。また、中に入ると長崎市出身の画家 清水崑の展示物があります。清水崑について簡単にご紹介すると、1912年長崎市の銭座町(現長崎市弁天町)に生まれ、学生時代から絵の才能に恵まれ、19歳の時上京しました。「かっぱ川太郎」「かっぱ天国」をはじめとしたかっぱ漫画は、全世代に愛され日本酒のコマーシャルをはじめさまざまな場面に登場しました。50歳すぎ頃から頻繁に長崎を訪れるようになったそうですが、長崎にちなんだ作品も多く残っており、併せて楽しむことができます。
 一度、丸山を訪れたら、ぜひ「和」を感じに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 詳しくは、長崎市中の茶屋(清水崑展示館)HP(http://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/820000/828000/p023993.html)をご覧ください。