【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(45)

地域に息づく鯨文化を伝える博物館

 上五島町鯨賓館ミュージアム

新上五島町教育委員会文化財課文化財班 原 大二郎

 新上五島町鯨賓館ミュージアムは、五島列島・新上五島町の玄関口である「有川港多目的ターミナル」内にある博物館として、平成16年12月に開館しました。
 このミュージアムは、「歴史、芸術、民俗、産業」に関する資料を収集保存して、郷土の歴史文化に関する町民の知識を深め、あわせてこれに関連ある調査研究および文化事業を行う施設として設置されました。
 館内には、水産庁の未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選のひとつ「有川捕鯨関連文化遺産」としても知られる、本町の捕鯨史を中心に紹介しています。
 古式捕鯨業時代の有川湾における鯨組の様子や、近代捕鯨のはじまりである東洋捕鯨株式会社設立に関わった原眞一・原萬一郎親子愛用の珍しい鯨のヒゲ板を加工して作られた応接セットを展示しているほか、昭和の商業捕鯨期を紹介するコーナーでは、尖頭銛や平頭銛、鯨を解体するときに使用した包丁などの道具類が展示され、最後の南氷洋捕鯨の映像「捕鯨に生きた男たち」も見ることができます。そして7種類の鯨の10分の1模型や、セミクジラのヒゲ・ナガスクジラの耳骨・ミンククジラの顎骨なども展示しています。
 そのほかにも、本町出身で多くの教会堂建築に功績を残した鉄川與助や第50代横綱佐田の山関についても紹介していますので、新上五島町へお越しの際は、ぜひ鯨賓館ミュージアムに足をお運びくださり、捕鯨文化や本町の歴史に親しんでみてください。
 詳しくは、上五島町鯨賓館ミュージアムHP(http://www.town.shinkamigoto.nagasaki.jp/geihinkan/museum/index.html)をご覧ください。