【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(43)

追悼と平和祈念を行う静粛な空間

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

館長 智多正信

 1945年8月9日11時2分、長崎に投下された原子爆弾は、街を破壊し幾多の生命を奪いました。
 当館は、爆心地公園を望む丘の上の原爆資料館の隣に原子爆弾により亡くなられたすべての方々への追悼と永遠の平和を祈念するための施設として平成15年に開館しました。
 館の入口にある直径29mの水盤は、水を求めて亡くなったすべての犠牲者を悼み、心を落ちつけて追悼の準備をしていただくことを意図しています。夜になると光ファイバーにより約7万個の灯りがともります。さらに館内には大小5つの水盤と1つの滝があり、清らかな水の音が溢れています。
 館内の壁は、杉の目模様が写しとられた年輪とその積層によって、歴史の積み重ねが感じられるようなデザインになっています。
 追悼空間には、16万8767名(平成27年8月9日時点)の原爆死没者の氏名を記載した名簿が奉安されており、その250m先が原爆投下中心地となっています。静粛な空間に差し込む穏やかな光と歴史の積み重ねを表す壁面に囲まれて、ゆっくりと追悼と平和祈念を行っていただくことができます。
 遺影・手記閲覧室では、原爆被爆に関する4万5000編以上の手記・体験記や書籍を手にとってお読みいただくことができます。また、展示情報端末機により、証言映像と音声の検索、閲覧を行うことができます。ぜひ一度、ご来館ください。
 詳しくは国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館HP(http://www.peace-nagasaki.go.jp/)をご覧ください。