【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(42)

守り抜かれた信仰の歴史を伝える

 平戸市切支丹資料館

担当学芸員 浦部知之

 当館は昭和57年、平戸市のキリシタン文化を紹介する専門資料館として根獅子浜に隣接する「うしわきの森」に開館しました。うしわきの森とは、根獅子のキリシタン殉教者を埋葬した森で、地区信者の聖地として永く大切にされ、信仰の中心地として、近年まで履物を脱いでお参りしていました。
 平戸にキリスト教が伝来したのは1550年7月、フランシスコ・ザビエルが布教したことに始まります。根獅子は1565年、イエズス会のカブラル神父、ゴンザルヴェス修道士が根獅子の信者を一斉に改宗させています。以来根獅子の信仰組織は平成4年に解散するまで、永く存続しました。しかしながら地域の文化はキリシタンの信仰と、仏教、神道の協立であり、地区行事にも随所に昔ながらの習俗が見られます。展示資料は、元信者の方々にご協力頂いて展示しております貴重な遺品で、禁制下の信仰の深さを感じるものばかりです。また、資料館の周辺には殉教地や聖水を採取した場所、踏絵場などがあり、資料館ばかりでなく、地域一体となった史跡も見どころです。
 主な展示品は聖画(御掛絵)やメダイ(メダリオン)などがありますが、その他にも秘めた信仰を象徴する道具なども展示しています。かくれキリシタンの歴史や文化を紹介した当資料館にぜひお越しください。
 詳しくは平戸市切支丹資料館HP(http://www.hira-shin.jp/christian-sl/)をご覧ください。