【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(41)

現存する長崎最大級の煉瓦及び石造洋館

 長崎市旧香港上海銀行 長崎支店記念館

長崎市文化観光部観光政策課 山口繁広

 明治37年(1904)に竣工したこの建物は、 明治~昭和初期の建築界の偉才、下田菊太郎が設計した現存する唯一の遺構であり、国指定重要文化財となっています。
 長崎市内の洋館群の中にあっては最大級であり、1階部分を連続アーチのアーケードとして、2・3階部分にコリント式の円柱を通した大オーダーとし、その上に三角破風の屋根をのせるなど、海側の正面性を重視したデザインとなっています。
 香港上海銀行長崎支店は当時神戸以西唯一の外国銀行で、在留外国人、なかでも貿易商を主な取引先として外国為替やロンドン・上海・香港における外貨の売買を主要業務とした特殊為替銀行でした。
 昭和6年に銀行が閉鎖された後は、長崎県の警察署庁舎として利用され、その後長崎市の歴史民俗資料館として活用されてきました。昭和62年に解体の計画が持ち上がりましたが、市民運動によりその危機を乗り越え、その後保存修復工事を経て、平成8年に記念館としてオープンしております。
 現在は、「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」を併設し、中国革命の父孫文とその革命を支えた長崎出身の実業家・梅屋庄吉の国境を越えた友情や、国際貿易港であった長崎の歴史等を紹介しています。また、楽しく学べる体験コーナーもあります。
 詳しくは長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館HP(http://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/820000/823000/p003938.html)をご覧ください。