【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(38)

龍馬が作った日本初の商社 亀山社中

 亀山社中記念館

亀山社中記念館 西田暁音

 亀山社中は、慶応元年(1865年)、薩摩藩などの援助により、坂本龍馬が中心となって結成されました。社中のメンバーには龍馬をはじめ、勝海舟のもとで操船技術を学んだ者が多く参加し、船を使った物資の輸送や貿易の仲介を行っていました。特に、幕府と対立していた長州藩に対し、薩摩藩の名義を借りて武器や艦船の購入をあっせんし、長州藩から代金として米を薩摩藩に受け渡すことで薩長の仲をとりもち、薩長同盟へとつながる大きな役割を果たしたことは、歴史的な意義のある成果として有名です。
 その亀山社中の拠点となっていた建物が、現在の亀山社中記念館です。明治以降、民家として使われていた建物を、現所有者のご厚意によりお借りして、調査研究の上、当時に近い形で修復・復元しており、建物内には亀山社中当時からの建具とされるものも多く残っています。なかには坂本龍馬がよりかかって座ったとされる柱や、隠し部屋として使ったといわれる場所があり、龍馬たちが日本の未来について語りあった当時の建物の様子をうかがうことができます。また、展示資料では龍馬の着物や刀、直筆の書簡など貴重な資料の複製を見ることができます。
 館内での常駐ガイドの解説のほか、専門のガイドと共に、亀山社中記念館を含めた周辺の龍馬ゆかりのスポットをめぐる、長崎さるくコースもありますので、ぜひ長崎での坂本龍馬の足取りをたどり、歴史のロマンに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
 詳しくは亀山社中記念館HP(http://www.city.nagasaki.lg.jp/kameyama/index2.html)をご覧ください。