【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(47)

古式捕鯨の世界を分かりやすく紹介

平戸市生月町博物館・島の館

島の館学芸員  中園成生

 生月は長崎県北西に位置する人口約6,000人の島です。島の館は、生月島と平戸島を繋ぐ生月大橋を渡って直ぐ左折し1分程走った所にある博物館で、かくれキリシタン信仰や古式捕鯨などに代表される島独特の歴史や文化を紹介しています。
 生月島では天文19年(1550年)に布教が始まった古いキリシタン信仰の形態が、長い禁教の時代、他の宗教を並存させるかくれキリシタン信仰の形態で継承されてきました。同信仰のコーナーでは、信者が受け継いできたメダイ(メダル)やお掛け絵(聖画)などの貴重な信仰資料の他、行事を紹介した映像や、信仰空間である住居内部を再現して紹介しています。
 また生月島は、江戸時代中頃から明治時代にかけて、鯨に網を被せてから突き取る網掛突取法の漁場として栄え、同島を本拠地とする益冨組は、江戸時代後期に5つの網組を経営し3,000人の従業員を擁する日本最大規模の鯨組にまで発展しました。捕鯨のコーナーでは当時の捕鯨を大型のジオラマ(模型)や実際に使われた道具の展示でダイナミックに紹介しています。
 今年、漁業の魅力や重要性を発信する展示室「フィッシャーマンズアリーナ」がオープンしました。近海で取れた魚介類の剥製や、平戸市内で行われている定置網を始めとした様々な漁法を、模型や映像などで分かりやすく紹介しています。ぜひ平戸市を訪ねて漁業を見て、知って、食べて堪能してみてください。
 詳しくは、平戸市生月町博物館・島の館HP(http://www.hira-shin.jp/shimanoyakata/)をご覧ください。