【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜(30)

 芸術で地域活性化を図る構想事業の拠点施設           

笠松宏有記念館

滞在画家  常喜由理子

 笠松宏有記念館は、132年の歴史を持つ五島市立船廻小学校の閉校となった建物を当時の面影をできるだけ残して改修し開館しました。奈留島出身の笠松宏有(かさまつひろとも)の初期から晩年までの作品82点の中から順次入れ替えて展示しています。
 この記念館は芸術で地域活性化を図る五島モンパルナス構想事業の拠点施設として、笠松宏有の作品展示の他に滞在画家の展示、市民作品の展示、館内校庭で制作している穴窯作品「奈留陶芸の会」の展示をしており、毎週土曜日に「奈留島美術教室」を滞在画家による開催で行い、またその他の空き教室をアトリエとしても利用しています。
 笠松宏有の作風は、抽象画を中心とする初期の作品(1957年〜1973年)、静謐で神秘的な「五島の夜の海」(1974年〜1980年)、明るく色彩豊かな「昼の風景」(1981年〜1988年)、戦争と平和をテーマとした「昭和史」(1989年〜1998年)、晩年の「天使の連作」(2000年〜2005年)など変遷を重ねて展示しています。作風がガラリと変化する一方、「長崎・五島という2つの故郷への想い、クリスチャンとしての祈り」は一貫しており、すべての作品からは「家族への愛」も感じられます。
 詳しくは笠松宏有記念館HP(http://navi.gotoshi.net/contents/detail/index.php?id=281)をご覧ください。