【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜(26)

 国内屈指の大名蔵書群  貴重本も多数                  

肥前島原松平文庫

肥前島原松平文庫学芸員 吉田信也

 肥前島原松平文庫は、独自の施設を持たない「資料館」であり「文書館」です。
 島原城の南堀端の一角に島原図書館があります。その2階が文庫です。かつてここには島原藩大老・松平勘解由の邸宅がありました。
 1964年(昭和39年)、旧島原藩主・松平氏に寄贈を受けた蔵書類がこの文庫の母体となっており、現在長崎県有形文化財の指定を受けています。古典籍や古絵図など、その数は、点数にして1万点近くに上ります。
 その他、旧藩士所蔵の古文書類等、島原ゆかりの資料が継続的に集められています。
 初代松平島原藩主・松平忠房が集めた典籍類を端緒とする蔵書は、国内屈指の大名蔵書群として全国の研究者たちにも注目され、毎年遠方からも調査に訪れます。中には『蜻蛉日記』『夜の寝覚』『甲州式目』といった、日本最古の写本に属する貴重本もあります。
 また『深溝世紀』『藩士明細帳』『島原藩日記』といった、島原藩について学ぶための基本的な資料もあり、地元の人がもっと活用できる文庫を目指しています。
 図書館の1階には展示室を設けており、普段書庫に収められている貴重な資料を少しでも知っていただくための展示を常に企画していますので、ふらっと立ち寄って御覧下さい。
 文庫の本当の魅力は、資料を手にとって初めてわかります。「知識の宝庫」を、ぜひ探究してみてはいかがでしょうか。
 詳しくは肥前島原松平文庫HP(http://www.shimabara-city-libraries.jp/shimabara/matsu.html)をご覧ください。