【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね~(35)

蒙古襲来~神風が遺した宝物~

松浦市立鷹島歴史民俗資料館

松浦市立鷹島歴史民俗資料館館長 中田 敦之

 松浦市鷹島町は、文永の役(1274年)と弘安の役(1281年)の二度にわたって元軍との戦いがあった世にいう「元寇」(蒙古襲来)の地です。弘安の役では、元軍の艦船4千4百隻が伊万里湾に碇泊中、暴風雨(神風)に遭い、大半が海底に沈んだと伝えられています。
 伊万里湾に浮かぶ鷹島の南岸では、昭和55年から鷹島海底遺跡の調査が行われ、約30年間に渡る調査で約4千点の関連遺物を引き揚げています。
 資料館では、蒙古襲来の歴史を物語る海底から引き揚げた遺物を展示しており、県指定有形文化財の「管軍総把印(かんぐんそうはいん)」(青銅印)や陶磁器類、青銅製飾金具等も見学することができます。
 展示品をより理解できるようにX線CTにより計測した3次元のデータを3Dプリンタ ーで出力して、「てつはう」、冑、矛、鏃、刀剣の復元模型を作製しています。手に取って触れられることから子どもたちには好評です。
 また、隣接する鷹島埋蔵文化財センターでは、平成6年の調査で出土し、15年かけて保存処理した大椗(いかり)を展示しています。
 平成23年の調査では、元軍の船も発見され、これまで文献でしか知ることができなかった元寇の様相を明らかにしたとして翌年には鷹島町神崎免(こうざきめん)の沖合海域が「鷹島神崎遺跡」の名称で海底遺跡では初めて国史跡に指定されました。
 本年(2015年)7月には、2隻目となる元軍の船が確認され、その調査の様子を資料館にて写真パネルや映像で公開しています。
 是非一度来館していただき、世界に誇る貴重な宝をご覧下さい。

 詳しくは松浦市立鷹島歴史民俗資料館HP(http://www.city-matsuura.jp/www/contents/1227840289309/)をご覧ください。