【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜S

 ―東彼杵の歴史絵巻―                       

東彼杵町歴史民俗資料館

学芸員 下田章吾

 この町には、およそ3万年前の旧石器時代から人が住み始めました。そして弥生時代には、当時「クニ」の一つがあったことを窺わせる遺跡も発見されています。「肥前風土記」にある「具足玉国(そないだまのくに)」ではないかと考えられています。続く古墳時代は、県指定史跡「ひさご塚古墳」が造られました。5世紀の古墳で、大村湾地方を治める豪族の墓です。奈良時代律令制が始まると、大村湾を中心とした地域は「彼杵郡(そのぎのこおり)」と呼ばれるようになり、その役所があったのではないかと推測されています。
 中世になると、この町にも幾つかの古戦場跡が伝わっています。また、輸入陶磁器が多数出土しており、大陸との交易があったことを窺わせます。
 江戸時代、「彼杵」「千綿」は長崎街道の宿場町として栄えました。彼杵宿では本陣や脇本陣があり、平戸街道、大村湾を渡って時津から長崎を結ぶ交通の要衝でした。また千綿宿は商工業が盛んで、幕末には長崎の大浦慶と茶の取引をした話が残っています。お茶はその後町の特産品になります。また、大村藩の深沢儀太夫は鯨捕りで財を成し、町内にため池を作り新田開発をしました。また捕れた鯨を彼杵の港に揚げ、各地に販売していました。
 平成6年に開館した歴史民俗資料館は、建物の2階が常設展示室となっており、町の歴史を紹介する「歴史館」と長崎街道を紹介する「文化館」に分かれます。現在開館20周年記念のため、平成27年5月末まで観覧無料となっています。ぜひ一度ご来館ください。。
 詳しくは東彼杵町歴史民俗資料館HP(http://rekishi-higashisonogi.com/)をご覧ください。