【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜(24)

 1万2千年前から現代に至る「うつわ」の歴史をたどる空間       

佐世保市立うつわ歴史館

佐世保市教育委員会社会教育課 溝上隼弘

  佐世保市の東南部に位置する当館は、国の史跡に指定されている泉福寺洞窟(同市瀬戸越1丁目)で発見された約1万2千年前の世界最古級の豆粒文(とうりゅうもん)土器(復元レプリカ)から、現代の三川内焼まで佐世保の「うつわ」の歴史を中心として展示しています。
  現在、展示中の考古資料はすべて市内で発掘されたもので、縄文時代草創期から現代にかけて、時代順にうつわの歴史が紹介されています。
  縄文時代に作り出された土器は粘土を火で焼くと固くなるという性質を利用したもので、人類が初めて科学反応を利用した画期的なものでした。それ以降、「うつわ」は人類と共に発展を遂げるのです。
  江戸時代になると陶器や磁器の「うつわ」(三川内焼)が佐世保市三川内地区でも作られるようになります。三川内焼は平戸藩の庇護の元、将軍家や天皇家へ献上するほどの繊細華麗な焼物の産地となり、世界各国にその名を知られるに至るのです。
  この三川内焼を紹介した映像資料や窯道具、登り窯の模型など三川内焼に関連する道具やレプリカが設置されており、映像と共にジオラマが動き、三川内焼がどのような工程で作られたのかを分かりやすく展示しています。また、国内各地の焼物についても紹介されています。
  当館の徒歩圏内の場所には三川内焼の古美術品と現代の窯元が作った器が展示してある三川内焼美術館があり、車で5分の場所には奥里離れた三川内皿山があり、三川内焼の散策も合わせて楽しむことができます。是非、一度ご来館下さい。
 詳しくは佐世保市うつわ歴史館HP(http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1088160021398/index.html)をご覧ください。