【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜J

400年前の南蛮寺跡を発見!                   

サント・ドミンゴ教会跡資料館

長崎市経済局文化観光部文化財課学芸員 扇浦 正義

 今から400年前の長崎に、ズボンをはいてマントをはおったポルトガル人たちが街を歩き、パンやぶどう酒、牛や豚肉を飲食していたことは意外に知られていません。南蛮寺と称された和風建築の教会堂が建てられ、鐘の音が響きわたり、まるで「小ローマ」のようだったといわれます。
 そんな往時の様子を彷彿させてくれるのが、今回紹介する資料館です。場所は長崎市役所と長崎歴史文化博物館の間に位置する桜町小学校の敷地内にあります。ここは長崎代官の村山等安が慶長14年(1609)に土地を寄進し、サント・ドミンゴ教会が建てられました。しかし、禁教令により5年後に教会は破壊され、その後は長崎代官の屋敷となりました。
 平成12〜13年に現在の校舎建設に伴って遺跡の発掘調査をしました。地表面から1m余り掘り下げると代官時代の礎石や井戸、教会時代の石畳や排水溝などが見つかりました。一般に遺跡は調査終了後に破壊されますが、南蛮貿易時代の教会遺跡は全国的にも珍しく、保存・公開されることになりました。
 遺物は陶磁器や瓦などが約12万点出土しました。その多くは代官時代の生活用具ですが、教会時代のものではマリア像のメダイが1点と花十字紋瓦が80点余り出土しました。これらの遺物は資料館の奥室に、市内各地から出土したキリシタン遺物とともに展示しています。
 詳しくはサンド・ドミンゴ教会跡資料館HP(http://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000835.html)をご覧ください。