【県内美術館・記念館めぐり】 行ってみんね、来てみんね〜@

長崎の歴史と文化に出会える場所                  

長崎南山手美術館

館長 常川 和宏

 長崎は古くから南蛮(ポルトガル)・唐(中国)・紅毛(オランダ)文化の影響を色濃く受け、独特の文化が花開いた街です。この輝かしい歴史と文化にはぐくまれた長崎には、他の町では見ることのできない優れた美術品や工芸品が数多く遺されていますが、今や長崎の人々の目に留まることも少なくなり、次第に忘れ去られようとしています。
 このような現状を憂い、長崎の人は勿論、全国から長崎を訪れる観光客の人にも、これら先人が遺した美術品や工芸品を通して、今一度長崎を見つめ直す機会を提供したいとの思いから、グラバー園入口前に南山手美術館を開設しました。
 現在、当館では「長崎の文化と日中貿易」と題した企画展を開催中です。その中では隠元など黄檗僧の書をはじめ、林道栄・高玄岱の唐様の書や朱舜水・銭少虎の書のほか、漢画の祖といわれる逸然や唐絵目利の渡辺秀石・石崎融思などの画、南蘋派の鄭維培・熊斐の画、江稼圃・鉄翁・逸雲・梧門の南画など、長崎と中国の人々の作品を比較展示しています。その他、長崎刺繍や亀山焼などの陶磁器、長崎青貝細工、長崎古版画、鼈甲などの工芸品も展示しています。これらは館長のわかりやすい解説を聞きながら楽しく鑑賞して頂けます。
 当館では、このほか様々な分野の美術品・工芸品を所蔵しており、企画展の中で順次紹介していく予定です。
 詳しくは南山手美術館HP(http://www.minamiyamate-museum.jp/museum.html)をご覧ください。